
こんにちは、カリーナです。
花組公演『DANCE OLYMPIA』には、サロメ(永久輝せあ)とヨカナーン(聖乃あすか)のダンスがあります。
私、“サロメとヨカナーン”というモチーフについては、有名だから知っていましたよ。
ヨカナーンの生首に口づける女性の絵画。
上手に踊れたご褒美に、ヨカナーンの首を求めたというエピソード。
それくらいは、何となく知ってはいました。
私はこのシーンが大好きで何度も見返しているんですが、「そういえば、具体的にはどういう話が元ネタなんだ?」と興味を持ったので、詳しく調べてみました。
結論からいうと、
・「サロメとヨカナーン」の話には数パターンある
・聖書のサロメはヨカナーンにキスしない
・『DANCE OLYMPIA』は、戯曲のストーリーを採用した模様
な、なるほど…!?
聖書のサロメはヨカナーンにキスしない!

サロメは大昔に実在した女性の名前で、聖書などに登場します。
複雑な生い立ちの女性ですが、色々あった末に、最終的には王女になります。
(サロメの生い立ちはとても複雑なので、暇な方は調べてみてください)
新約聖書によれば、サロメとヨカナーンのお話はこんな感じ。
ヨカナーンの首を欲したのは、サロメではなく、サロメの母親です。
サロメのヤンデレ感が、あまりありませんね。
そもそも、ヨカナーンの生首にキスしていませんし…。
戯曲『サロメ』ではヨカナーンにキスをする
そして、そんな聖書のエピソードをもとにして書かれたのが、戯曲『サロメ』。
こちらはオスカー・ワイルドによって、かなり脚色が加えられています。
お話を要約すると、こんな感じ。
出た、ヤンデレ美少女!!
欲しい物(ヨカナーンの首)のためなら、なんでもやっちゃう…。
戯曲『サロメ』のほうでは、ヨカナーンの首を要求したのは明らかにサロメ本人です。
そしてしっかり、ヨカナーンの生首にキスしています。
狂気でしかないですね。
『DANCE OLYMPIA』は戯曲のエピソードを採用した模様
聖書版と戯曲版を簡単に比べてみましたが、『DANCE OLYMPIA』のダンスは、明らかに戯曲『サロメ』を元にしたものですね。
(というか、宗教無関係な芸術作品だと、たいていは戯曲の方が元ネタなのかな?)
預言者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)は、イエス・キリストに洗礼をほどこした人物のため、クリスチャンからは“スゴい預言者の死にまつわるエピソード”として重要視されているようです。
でも私はクリスチャンじゃないから、聖書版だけを読んだら、あまり何も思いません
誰が見てもインパクトがあるのは、やはり戯曲『サロメ』のストーリーのほうではないでしょうか?
特に詳しい知識がなくても楽しめる『DANCE OLYMPIA』ですが、こういう知識が頭の隅にあると、さらに楽しめると思います。
ぜひ、もう一度「Salome」のシーンを円盤でご覧ください。
サロメ&ヨカナーンのシーンの、美花梨乃さんの語り部が、何度聴いても素晴らしい

そしてメインの、永久輝せあ&聖乃あすかコンビの妖艶な踊り!
曲もすごく綺麗で、何度リピートしても最高です

ちなみに、あのシーンの曲名は「赤い月」。
どうやら戯曲『サロメ』に、月に関する記述が沢山あるようで。
美花梨乃さんの語り部の内容は、戯曲『サロメ』にかなり忠実なようです。
最初は黄色だった月が、徐々に赤く染まっていくところにも注目です!
↑この商品ページで、序盤が試し読みできます。
「なるほど!」と思えるはず。